ペキニーズの特徴
ペキニーズはがっちりした前足と細めの後ろ足、ずんぐりした首回りですが、全身を覆う長毛のおかげでボリューム感のある、まるで獅子のような貫録のある堂々とした姿をしています。
犬種標準では、オスは5kg以下、メスは5.4kg以下と定められています。
ペキニーズの性格
ペキニーズは独立心が旺盛で、時に頑固、飼い主に依存することはあまりありません。そのため、愛玩犬なのに人間の膝に抱かれるのを好まない個体も多いようです。この面から、まるで猫のような性格の犬と評されることもあります。
人見知りをするため、家族以外にはなかなか懐かず、誰にでもフレンドリーに振る舞うことはあまりありません。
ペキニーズは勇敢で負けず嫌い、ケンカになっても決して引かない面があります。しかしほかの犬へわざわざケンカを売りに行くようなことはしない、誇り高い一面が見られます。
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ペキニーズの歴史
中国原産のペキニーズは、中国語では「ジンパ(京巴)」と呼ばれています。
チベタン・スパニエルが祖先と考えられており、ペキニーズの最古の記録は8世紀ごろになりますが、犬種としての成り立ちはそれよりはるかにさかのぼる紀元前と伝聞されています。
祖先犬のチベタン・スパニエルは、仏教への信仰が厚いチベット原産の犬で、チベットの寺院で僧侶によって繁殖、飼育されてきた犬です。「釈迦はその偉大な力により、どう猛な獅子をも服従させる」と考えていた仏教、ラマ教は、獅子に似た犬となるよう改良したペキニーズを獅子犬とし、諸国宮廷への献上物として秦の始皇帝ほか、歴代の皇帝に贈られてきました。この神聖な獅子犬は、皇帝と皇族以外による飼育を禁じられ、禁を犯して持ち出した者は死刑になったとも伝えられています。
そうしてペキニーズは宮廷外への門外不出として大切に扱われ、西太后が定めたと言われるスタンダード(犬種標準)に沿って、宮廷内のみで繁殖が行われていました。
門外不出のペキニーズでしたが、1860年のアヘン戦争に負けた西太后は、5頭のペキニーズを残し宮殿を離れることとなりました。それをイギリスの軍人が持ち帰り、ビクトリア女王に献上しました。犬好きで知られたビクトリア女王はこれを繁殖し、最初はイギリス国内で王族や貴族にだけ飼われていました。そして1893年に初めてドッグショーに出陳、その鼻ぺちゃな愛嬌のある姿が人気となり、やがて世界中に広がることとなりました。
神聖な獅子犬であるペキニーズには魔よけの力があるとされて、皇族の葬儀では柩を率いて墓へ先導するという役割が与えられていました。
1911年、西太后の葬儀が行われた時も、モータンという名前のペキニーズが棺を墓まで先導したことは有名な話です。
ペキニーズの飼い方
ペキニーズはダブルコートの犬の中でも、ペキニーズは特に下毛(アンダーコート)の量が多く、喚毛期には大変な量の抜け毛があります。通気により皮膚の健康を保つためにも、毎日のブラッシングが欠かせません。ブラッシングを怠るとたちまち毛玉になり、フェルト状になって、ますます手入れのしにくい毛になってしまいます。
活発な性質ではないため、散歩は気分転換程度の短い時間で十分です。暑さに弱く、呼吸困難に陥りやすいため、夏は散歩に行かない方が良い場合があります。
夏はエアコンをつけて熱中症にならないように気をつけましょう。
運動不足になりやすいうえに太りやすいという体質がありますので、食事の量や質は管理が必要です。
顔のしわには汚れがたまりやすく、放置すると皮膚糸状菌などにより皮膚病になって炎症を起こすことがあります。特に食事の後などは汚れていますので、しわの間まできれいにふき取ってあげましょう。
ペキニーズは長い毛に隠れて見えにくくなっていますが、体型は胴長で脚は短めなので、ソファから飛び降りたりすると、背中や腰に負担がかかります。活発な犬種ではないので、特に高齢になってきたら、休む場所は低い所に作ってあげるようにしましょう。
ペキニーズは性格的に気位が高く、マイペースで、気に入らないことをされると歯を当てても抵抗することがあります。
猫のような性質と頑固さがあるため、しつけがやや入りにくい面があり、飼いやすい犬種とは言えません。
しかし信頼関係が出来上がり、飼い主を主人と認めると愛情豊かに振る舞い、素直で遊び好きの面を出します。
愛くるしい子犬時代に犬の機嫌を取りすぎないように、けじめをつけた飼育をしましょう。
ペキニーズの毛色
レッド、ホワイト、ブラック、シルバーなどがあり、アルビノ(先天性の色素欠落)とレバー以外のあらゆる色が認められています。
パーティカラーと呼ばれる多色では、全体に色が散らばっている必要があります。
ペキニーズの気を付けたい病気
ペキニーズは心臓が弱い傾向にあります。高齢になるとかかりやすい心臓病に僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)がありますが、比較的早い年齢で発症することもあります。初期症状がほとんどないため、発作や肺水腫など厳しい状況になってから気づく場合もあります。この病気は終生の投薬で進行を抑えることになります。中年齢以上になったら、定期的に心臓の検査も受けるようにしましょう。
また、鼻の短い短頭種のかかりやすい病気があります。口の中で上あごの肉が垂れ下がって、呼吸が苦しくなる軟口蓋過長(なんこうがいかちょう)や鼻の穴が細い鼻腔狹窄(びくうきょうさく)などがよく知られています。
ペキニーズの価格相場
グループサイト、『みんなのブリーダー』における、ペキニーズの直近3ヶ月間の子犬ご成約時の平均価格は約24万円、最高価格は48万円、最低価格は8万円です。
※一般的に子犬の価格は犬種スタンダードに近いかどうか、血統、顔、毛色、体の大きさ、月齢などの要因で変動します。
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